※おなかの弱い子、骨の弱い子、内臓のどこかが弱い、
痩せている、太っている、成長期であるなど、
血液検査やレントゲンの結果でも食事内容が変わってくると思いますので
飼い主さんの判断で、その子に合った食事を獣医さんと相談しながら考えてください
参考:「動物園のお猿の資料」
「栄養計算データベース」
その他、獣医学、霊長類書物、飼育疾病書物、
など参考に考えました。
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基本的には、モンキーフードが猿に適した栄養素を含んでいると言われています。
フルーツ、野菜中心でお猿の食事をあげている方は、できる限り
モンキーフードを主食にし、フルーツや野菜を補助食程度に与える事が、
お猿の体にとっては一番良いそうです。
『ビタミンC欠乏症、クル病などの栄養障害の多くは、モンキーフードを
給餌されていない動物で見られる』のだそうです。
一番の問題は、蛋白質、ビタミンD3の不足です。
適した飼料
新世界ザル用モンキーフード:蛋白質25%程度
旧世界ザル用モンキーフード:蛋白質15%程度
※我が家が現在与えている食事(我が家は皆7歳以上の個体です)
フルーツは嗜好性が高いのですが、与えすぎると栄養面で偏りが出たり、
下痢、虫歯、糖尿病などの原因にもなります。
野菜は、葉もの好む子が多いですが、同時に緑黄色野菜を多く与えるようにしましょう。
その他に含まれるもの(おやつについてはページ一番下に説明)
+キビナゴの煮干など
日によって、パン、豆腐、ご飯など加える事もある。ピンクマウスは、レップミールでも代用可。
モンキーフードにも問題点はありますから、以下を読んで検討してください。
モンキーフードの問題点
@ペットショップでの購入は、製造年月日が不明な場合が多い。
(製造より90日が消費期限)
A保存状態が悪い(密閉されていない、高温など)ため、
ビタミンCが破壊されている事が考えられる。
B入手経路が不明
輸入のフードも販売されていますが、
これも私達が手にするまでにはかなりの時間がかかっている可能性が高いそうです。
国産のものでも、小分けに販売されていると、
製造元も銘柄も分からないものがあります。
C肉骨粉の問題がある。(狂牛病のアレです)
表示では、ミートボーンミールや、骨粉と書かれていることがあります。
でも、ペットショップで小分けにされると、配合されているのかどうかもわかりません。
D嗜好性が悪い
フルーツに慣れてしまった子は、どうしてもモンキーフードを食べてくれない
場合があります。
解決策として
@モンキーフードを販売元から直接買う(オリエンタル酵母、クレア社など)
ただし、実験動物用飼料なので、10キロ単位でしか購入できない事が多い。
仲間内と共同購入出来れば良いと思うけど、一家庭では
90日で食べきれないと思う。中には、一般への小売はお断りというところもある。
A個別に製造可能なモンキーフードを購入する。
私は、吉岡油糧で作っていただいています。
B嗜好性の解決策として、吉岡油糧のものなら、牛、鳥、豚、魚、馬(さくら肉)から
好みの肉の種類を選べ、アップル、パイン、メロンなどのフレーバーが付けられる。
霊長類書物には、『モンキーフードをジュースやミルクに浸して給与したり、
フードを細かく砕き、好みの食べ物に混ぜて給与するようにして、徐々に交換させて
行く事が可能である。〜中略〜1日の給餌を2回とし、残餌を取り除き、間食をさせなければ
動物は空腹になるので、その時に適切な餌を給与すれば、餌の交換はよりスムーズであろう』
と書かれています。
つまり、お腹が減ったら嫌でも食べるでしょって事ですね。
ただ、その際(砕いたり、ジュースに混ぜたりの際)ビタミンCが酸化しやすいので、
ビタミン剤か、ビタミンCを多く含む新鮮な果物で補うようにする。
のだそうです。
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モンフー団子
モンキーフードを食べない子の相談も多いので、我が家で介護中のリスザル
ルパンに食べさせているモンフー団子の作り方を紹介します。
注意
これは我が家の調合なので、好みや体調、嗜好性に合わせて調合してください。
人間用のものは与えてよいか獣医さんに相談してください。
サプリメントの量は与えすぎないように獣医さんと相談してください。
特に、脂溶性(油溶性)ビタミンは過剰摂取に注意が必要です。
水溶性、脂溶性についてはこちらを参考にしています。
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用意するもの
※ミルミキサー
コンパクトでパワーのあるものが良いです。
※この粉末の状態は多少保存できますが、
団子に錬るのは毎回錬ってすぐに与えてください。
@は、吉岡油糧で調合していただいたモンキーフードです。
ピンクマウスや鶏肉の食いつきが良く、フルーツ、野菜の食いが悪い場合は
ベジタブルのフードにしてバランスを取ったり、肉類をあまり食べない子は
肉を主体にして調合していただきます。
後で粉末にするので、フレーク状で注文した方が砕きやすいです。
ミキサーのラインまで入れます。(我が家は40g程でした)
Aも吉岡油糧で販売しているペット用のアガリクスです。これは初めから粉末です。
少し苦いかな。我が家では現在これを使っていますが、他にまるくら健康堂の
アガリクスも状態がよくなったという声が多いです。勧めていただきました。
実家の猫が起き上がれないほど弱っていたので
まるくらさんのAGAピュアリクスゴールドを毎日舐めさせたら、かなり状態がよくなりました。
Bは人間赤ちゃん用粉ミルク。ミキサーにかける時にスプーン1杯程度混ぜています。
Cはペット用のクロレラ。詳しくはこちら
http://www.sunchlorella.co.jp/product/aiken.html
100%自然素材で安心。アミノ酸、ビタミン、ミネラルをバランスよく含む、栄養食品。
これを入れると団子が緑色で緑茶のような臭いがします。好みが別れると思いますが
我が家はこれを入れたほうが全員食いつきが良くなりました。
D便が緩い時に入れています。また、動物用にアメリペットという乳酸菌商品も
ご紹介いただきました。薬ではないので、これのほうが安心かも。
E友人から頂いたモンキーゼリーの粉末です。あまり販売されていないので
入手が難しいのと、今のところ原材料が私は分からないのですが、香が良いので
嗜好性が良くなりました。
F我が家では、ビタミンB2、パントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB6の含まれる
サプリを入れています。(全て水溶性)傷治療中ルパンの上皮促進のため、
皮膚の健康に関わるものを入れています。
これらを上の写真のようにミキサーに入れて粉末にします。
粉末になったら瓶などで密封して保管します。我が家では粉末にして2日くらい。
それをお好みのもので団子に出来るまで錬るのですが、
我が家では以下のようなもので錬っています。
Gイナバの犬用離乳食
錬りやすかったのと、レバーを食べさせたかったからこれで錬っています。
Hコラーゲン10000と、ビタミンC1000のドリンクです。
モンフーを粉末にするとビタミンCが破壊されるそうなので、ビタミンCを摂らせたかったのと、
コラーゲンで皮膚の上皮促進にならないかと思いました。
香が良く、少し甘いので嗜好性が良くなりました。
モンフー団子にして良かった点は、その時摂らせたいものを手軽に混ぜられる事。
柔らかいので食べやすいようです。
歯には良くないかもしれませんが、逆に抜歯後や老体、幼体で硬いものが食べられない子
には向いていると思います。
柔らか目が好きな子と、硬目が好きな子がいました。
我が家の5匹はモンフーだけだと捨てられる事も多いのですが、
団子にすると初めはあまり食べなかったのが、続けるうちに皆好んで食べています。 |
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我が家で与えているモンキーフード(吉岡油糧)
1.メインを選ぶ
ベジタブル・シリアル・ライスから選べます。
2.お肉を選ぶ(ベジタブルはベジタブルだけだったと思う)
牛、鳥、豚、魚、馬(さくら肉)
3.大きさ選ぶ
5mmサイズと7mmサイズ、フレークがあります。
長さではなく直径です。7mmはフサオくらいの中型の子には良いと思います。
4.好みによってほんのり風味をつけられます。
嗜好性が上がります。アップル・パイン・メロン・チーズから選べます。
5.症状を伝える
症状だけでなく、要望も伝えられます。
カルシウムを多めに摂らせたいとか、カロリーが気になるとか
細かく伝えると、丁寧に相談に乗っていただけます。
我が家の場合は、コナンの肝臓の数値が悪い事を伝え、
肝臓対策のフードを調合していただいています。
また、飼育下のお猿には不足しがちだと言われる、ビタミン・ミネラルを添加
していただきました。
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動物性たんぱく質、ビタミン、ミネラルを考える
ついでに生き餌も考える。
室内飼育のお猿にはビタミン、ミネラルが不足しがちだと言われています。
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ミルワーム
ジャイアントミルワーム
(ジャンボワーム) |
ゴミムシダマシの幼虫。
カルシウムとリンの配合バランスが悪いとされていますから、
買ってきてそのまま与えるのは要注意です。
また、外側の殻の消化が悪いそうです。
生きて動いている餌を捕まえて食べるという行動は、
お猿のストレス解消にも良いそうですから、是非ミルワームを肥やして
お猿の餌にしてください。
詳しくは「ミルワームを肥やそう」を参考にしてください。 |
コオロギ、ハウスクリケット
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ミルワームよりは栄養価は良いらしいけど、
やはりこれも間接的な栄養摂取が必要です。
お世話しないとすぐに死んでしまうので
詳しくは「コオロギを肥やそう」を参考にしてください。 |
イナゴ 冷凍 |
冷凍でパックで売られています。
生き餌苦手な方には良いかもしれません。 |
ウズラ 冷凍
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冷凍で売っています。栄養バランスはマウスには劣るとされています。 |
ピンクマウス 冷凍
(別名:ピンキー)
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我が家は月夜野ファームから直接購入しています。
マウスの安全性が問題になったこともあり、
クリーンなマウスを選ぶようにしました。
肉食、雑食の動物にはどこを見ても栄養面で一番だと言われています。
ピンクマウスを鶏肉で代用される方も多いのですが、
結局内臓に栄養があるので、
丸ごと食べれるピンクマウスにはかなわないそうです。 |
レップミール
(マウスのソーセージ)
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ピンクマウスがどうしても苦手だという方のために
マウス100%で作られたソーセージも販売されています。
こちらも月夜野ファームで購入可能。
でもピンクマウスの方がまだマシという声も・・。
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その他 |
ゆで卵、殻付きの鶉卵、ミルク、低塩チーズ、低塩煮干など
煮干やチーズは、犬用が低塩で販売されています。
人間用の物は塩分が高いので与えない事。煮干はキビナゴがお勧め。 |
ビタミン |
ビタミンB1 |
落花生・枝豆・レバー |
ビタミンB2 |
レバー・鶏 卵 |
ナイアシン
(ビタミンB3) |
レバー・鶏のササミ |
パントテン酸
(ビタミンB5) |
レバー・メロン・サツマイモ・
ナッツ類 |
ビタミンB6 |
レバー・大豆・落花生・
バナナ・そら豆 |
葉酸 |
レバー・アスパラ・バナナ・トマト |
ビタミンB12 |
レバー・しらす
植物には含まれない。動物性のみ。
虫にも含まれてる。 |
ビタミンC |
くだもの(特に柑橘類とベリー類)、
緑黄色野菜、トマト、ジャガイモ |
ビタミンH(ビオチン) |
卵黄・内臓や大豆にも豊富に含まれる |
ビタミンA |
レバー・にんじん・緑黄色野菜 |
ビタミンE |
落花生・ひまわりの種・松の実・レバー |
ビタミンK |
レバー、トマト、キャベツ、緑葉・
ブロッコリー |
ビタミンD |
たまご・豚レバー・乳製品・しらす
クル病予防。 |
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ミネラル |
カルシウム
骨や歯の構成成分
リンを取りすぎると吸収が悪い |
ナッツ類・卵
(カルシウム高いけどリンはもっと高い)
小松菜(カルシウムがリンの3倍くらい) |
マグネシウム
血液中の糖をエネルギーに変える、
神経と筋肉の機能や興奮を正常に整える、抗ストレス作用 |
ナッツ類・リンゴ・イチジク・レモン・
グレープフルーツ・トウモロコシ・ |
カリウム
ナトリウムとバランスをとっている。
塩分が多いとバランスが崩れる |
すいか・柑橘類・緑黄色野菜・ひまわりの種 |
鉄 成長促進や、免疫 |
ナッツ類・レバー・卵黄 |
リン
エネルギーに関与している
重要な成分
リンが働くにはカルシウムが必要
取りすぎに注意 |
ナッツ類・卵 |
マンガン
消化を助ける働きがあり、
また肝臓の酵素作用を活発に |
青野菜 |
亜鉛 皮膚や骨格の発育・維持 |
種子 |
銅 ヘモグロビンの形成に必要 |
果物・ナッツ類・レバー・卵黄 |
モリブデン 糖質や脂質、尿酸の代謝を補助 |
豆類・乳製品 |
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我が家のお猿のおやつ |
あくまでも我が家の場合であって、正しいのかどうか分かりませんが
人間用のおやつをあげるよりは良いかと思いましたので、紹介します。
おやつ程度なら人間用のものをあげてしまうことも多かったのですが、
犬を飼ってから、犬用のおやつで代用できるようになりました。
人間用と比べると、塩分や脂肪、糖分、添加物などがかなり加減されている
物が多く出ています。
手作りおやつ |
「犬がよろこぶ手作りおやつ50のレシピ」
Deco著
犬のおやつで有名なDecoさんの本です。
飼い主も一緒に食べられるおやつも
沢山紹介されてます。
我が家は、犬、猿、人全てに応用してます。
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豚耳 |
ソフトタイプを好むようです。
我が家であげているのはヤマヒサペットの
豚耳細切りタイプ。これを3cmくらいの
長さに切ってあげています。 |
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玉チーズ |
「この製品は獣医師達が製品開発しました」
という言葉に惹かれて買ってみました。
人間用のチーズに比べて塩分を控えてあるそうです。
我が家の子達は4匹とも喜んで食べます。
人間用のチーズよりもこちらを好んでいるようです。 |
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プロテインバー |
吉岡油糧さんの商品です。
細長いビスケットのようなもの。
長いのですが、手では折れないくらい、
とにかく硬い!
これを頑張って折ってお猿にあげると、
ガリガリいいながら長時間かけて食べています。
我が家の4匹中3匹は食べるけれど、
一匹は硬すぎておもちゃとして認識しているらしい。
栄養面と、歯、歯茎のために与えています。
・歯茎・筋肉・免疫力向上(プロテイン50・キトサン1)
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さくらチップ
(馬肉) |
こちらも吉岡油糧さんの商品です。
・ビタミン・ミネラルがお肉の中で一番多く含有していて、抵抗力・免疫力が増強
・アレルギー対策。筋肉体質になります。 |
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