全身性紅斑性狼瘡 まさみっち監修ページ |
【全身性紅斑性狼瘡】 |
全身性紅斑性狼瘡は、いまだに原因が解明されていない 自己免疫性疾患の一つで、自分の組織を自分で認識することが できなくなり、異物として判断することにより、 自ら破壊する全身性慢性炎症性疾患です。 犬における発生は1965年にはじめて確認されました。 特に顔面の皮膚に症状がでるこが多く、その他としては、 腎臓、筋肉、造血系、関節などにも重篤な障害を与えます。 皮膚での症状は潰瘍、紅斑、痂皮形成、脱毛、瘢痕形成などがあります。 全身性紅斑性狼瘡は雌に多く、ホルモン、遺伝、ウイルス、薬物などが 症状の悪化や原因に関与しているようです。 狼瘡という名称は13世紀に人の顔面にでる症状が狼の頚にでる紅斑に 似ていることから用いられるようになったようです。 皮膚だけに病変があらわれる皮膚紅斑性狼瘡は全身性紅斑性狼瘡より 軽度の症状で、まだ原因ははっきりしていませんが、 全身性紅斑性狼瘡の良性型ではないかと云われています。 全身性紅斑性狼瘡との違いは抗核抗体試験が陰性です |
【現在の検査方法】 |
皮膚の病変をみれば見当はつきますが、確定診断には特殊な組織病理検査 を行います。また、他の臓器などの障害や皮膚紅斑性狼瘡との 鑑別を確認するためにも、血液検査、レントゲン検査、尿検査、 あるいは、抗核抗体試験、紅斑性狼瘡細胞試験、間接免疫蛍光試験 などの免疫学的検査が必要になることもあります。 |
【現在の治療方法】 |
治療の目的は血液中の抗核抗体濃度を減らすことと、
進行中の炎症反応の病的経過を減らすことです。このため、 抗炎症剤、免疫抑制剤などを用いて内科的に治療します。 時には非ステロイド性消炎沈痛剤を使用することもあります。 また、細菌の二次感染を防止することが重要なため、 抗生物質の投与も併用されます。 |
【治る可能性】 |
全身性紅斑性狼瘡の治療効果はあまりよくありません。 特に病変が全身性に発生している場合には注意が必要です。 完治はあまり望めませんので、症状をコントロールすることが重要です。 皮膚紅斑性狼瘡は治療によく反応するでしょう。 完治率10%以下。 |
【予防方法】 | 原因が判っていないので、基本的にありません。 早期の対処が症状をコントロールする上で重要です。 |
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