動物園 お猿の飼育ハンドブック
社会法人
日本動物園水族館協会
上野動物園にて
ボランママより提供


猿類の飼料


全国の動物園で飼育されているお猿の飼料についてまとめた資料を参考にしました。

(:wasa)と言うのはペットとしての場合を私が勝手に付け加えたものでこの資料とは
関係ありません。また、動物園と一般家庭では環境や飼育状態、運動量も異なりますので
あくまでも参考としてお考えください。ただ、一般的に動物園では繁殖も多く、寿命も
一般家庭で飼育されているペットのお猿よりも長い事が多いので、
私達にも何か役に立つ事は無いかと思い、掲載しました。

サルの飼料については、まずその猿の基本的な食性を考え、
食性に合わせて出来るだけ多くの種類の餌を与え、
その個体の嗜好性、栄養状態、体調などを総体的に判断し、
最終的な種類と量を決定
していく事が必要となる。

植物質: 殆どのサルに、バナナ、リンゴ、サツマイモ
これがベスト3である。
ついでにミカン、ニンジンを加えてベスト5
が多く使われる。
その他市販の野菜や果物、パンやペレット(モンキーフード)

これらの飼料は洗った後、適当な大きさに切る。リンゴの皮を剥いたり、
バナナの皮を剥いて与える動物園もあるが、皮のほうを好む個体もあるので
良く見極める。
サツマイモとニンジンは蒸かして与える事も多い。
一般的には小型のサルには加熱して与える事が多い。

嗜好性では、甘みのある果物(ブドウ、パインアップル、バナナ、イチゴなど)
が好まれている。
ペレットはサル用として数社で製造販売されているが、ペレットのみ、または
ペレット主体で飼育している園は殆ど無く、あくまで補助的な飼料の一つ
として使われている事が多い。
動物質: 卵、ミルク類、煮干が良く使われ、特に卵はゆでて使われる事が多い。
他には動物用ソーセージ、馬肉、サナギなどがあり、
生き餌として、ミルワーム、コオロギ、ピンクマウスなどが使われている。

給餌回数はサルの種類によって異なるが、小型は一日一回、
中型から大型は一日二回。
(ペットでは小型でも一日2〜3回が主流のようです:wasa)
主として朝は軽く、夕方が主体となる。

サル類への飼料の栄養的評価の一つとして、人の基準も参考になる。
日本人の20歳の成人男子の一日に必要なエネルギー量は2500Kcal。
体重1kgあたり40kcal。生後6ヶ月の乳幼児は1kgあたり100kcal。
体重が多くなればなるほど必要カロリーは減っていくのだが、
これらを目安に体重換算していくのも一つの指針になる。


※代表的な園の飼料表を目安にアニバスに紹介しているお猿を中心に例を挙げます。
ただし、個々の状態に合わせて検討が必要なのでベストではありません。
参考としてお考えください。


ロリス科: 昆虫食の強い雑食性だが、飼育下では植物性が主体となる事が多い。
先ほどのベスト5を含めた7〜8種類の餌を与える。

動物質は生き餌や卵など。一日一回の給餌で細切りして与える事が多い。
総量でスローロリスが130〜160g(130〜160kcal)
体調不良の時は目先の違う季節の果物や生き餌を与えると効果がある。

これらの種は夜行性であり、室内飼育が多いので特にビタミン、
ミネラルの添加を心がけ、疾病予防に努めることが必要である。

キヌザル科:
コモンマーモセット
野生下では動物食が強いと言われるが飼育下ではやはり植物質が
主体となる。ベスト5を中心に、果実類。更に動物質として卵、サナギ、
生き餌を与える。
園によってはペレット、パン、きな粉などを粉ミルク、卵黄、
蜂蜜などで練り上げた練り餌を果物以外に与えている


一日二回、細切りして給餌する事が多い。
総量として50〜100g(50〜100kcal)。

やはり室内飼育ではビタミン、ミネラルの添加が必要であり、離乳時には
十分な飼料が取れるように配慮する。
食欲が落ちたり、体調不十分な時はバッタやセミなどの昆虫を使うと
効果がある。
マーモセット用にペレットやゼリーも開発販売されているが、動物園では
あまり使われていない。
オマキザル科:
(中・小型)
フサオマキ
リスザル
植物食主体の雑食性であるが、利用される飼料の調査では、
全国総計で40種類以上の餌が使用されていた。
また、1園の使用品目も12〜14種と多く、この動物の食性の広さが伺える。
動物質では、卵、煮干、馬肉などが使用されるが、リスザルにはヒヨコを
与える園もある。ヒヨコの嗜好性は高い。

(ペットでは冷凍のピンクマウスが栄養価が一番高いと言われていて
与えている人が多い。その他ウズラなど。
ただ、ヒヨコやウズラは毛の部分が多いので、毛をむしってから
与える方が良いらしい。解凍したら頭の部分を押さえ、首の皮を掴んで
足の方へ思いっきり引っ張るとズルンといっきに剥ける。
でもかなり勇気がいる:wasa)

総量として400〜600g(400〜500kcal)ぐらい。
クモザルでは600〜1100g
腰や腹部に脂肪が付きやすいので注意。
オナガザル科: 強い個体が飼料を独占しないよう注意が必要。弱者にまで行き届くよう
配慮する。
グエノン属は総量で400〜700g(400〜500kcal)位
所によって木の葉を与えるところもある。

野菜、果物、ベスト5に加えインゲン豆や落花生などの豆が良く使われる。

オナガザル科リーフイーターの木の葉は地域により異なるが
ヤマモモ、サクラ、シイ、クヌギ、トウネズミモチ、サカキ、ヤナギ、クワ、
シャシャンボなど。

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